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小話まとめ
小話がバラバラで遡って読みづらいので、
今さらですけどタイトルなどをまとめました。
投稿順ではありません。

追記より見られます。


※9/21 小話1本追加

●3・4の話


ブキヨウ最前線(コクイキ):ギャグ系

合流までの一幕:ラストのリュウトウ学園。シュリとハクマ。



時系列順

深水圧
 ミズチ・ミリさんトラニシへ→ミリさんとイッキ
 ゲームクリア直後くらいの話。後半暗い。

 ↓
砂漠の噴水
 ミズチ・ミリさんジャクナンへ行く。

 ↓
ちょっと小ネタ
 ミリさん、学ぶ。

 ↓
それは、ありふれた
 ミズチとミリさんとイッキの話


穏やかな声
 ミズチと元パートナーの別れ。



●その他のシリーズ

海に舞い降りる天使(サチとコサメSS)
 サチの使用機体が漫画版とゲーム版で違う事の補完話


●短文・小ネタ系

アガタメタビーとロクショウ
 ただ会ってちょっと話してるだけ。自分もよく分かってない。

県メタビーとロクショウ/ハロウィン
 ハロウィンの小ネタ。



CP系(NL)

気になるあの人(カリンとミズチ)
 カリン→ミズチっぽい話。

ネコさんと追いかけっこ(カリンとミズチ)
 お茶にお呼ばれしました。
 正直、黄色い頭以外に接点がほぼ無いのに何故思いついたのか。





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【2013/09/21 16:50】 | 小話・小ネタ | トラックバック(0) |


小話・合流までの一幕
こないだ、ちょとツイッターでのやりとりでたぎったので。
前々からぼんやりと考えてはいましたが、
シュリとハクマがイッキ達と合流する前にこんなのあったらいいなぁと思った。

家族が寝た隙に沈んでた小話を更新。
もう1ヶ月くらい前にだかだか打ってたやつです、これ。
イメージを雰囲気通りに文章にするのはとても難しい。



------------------------------


わたしは走っていた。

カンカンカン、
はいてる靴はうるさいし、息は切れて汗もしたたっている。

(こんなの、わたしのガラじゃないのに)
そう思いながらも、足は止まらなかった。
メイクは汗でくずれていないだろうか。
ちらっとだけ、不安がよぎった。


走りながら、事前に目星を付けていた角を曲がる。
頭に学園の地図は入っていた。
とにかく、目的地にいかないと片付かない。いろんな事が。
――その時。

「うわぁ」
「きゃあっ」

何かに跳ね返されたような感じ。
……と思ったら、尻もちをついていた。
「――危ないわね、気をつけなさい!」

自分の事は棚に上げたわけじゃない。
自分には急ぐだけの理由があった。しかも、かなり大事な。
だから、気を付けなかった向こうが悪いだけ。

(あんまり速く走れなくて、かえって良かったのかしら)
そんな考えに、何となく自分でムッとしてしまった。

向こうも向こうで、いてて、とかそんな声を出している。
でもどうやらあっちは転ぶことはなかったらしい。
にくたらしい、と思いながら壁に手を付けて立ち上がる。
服のほこりをはらって、痛むところがないか確かめないと。
相手が誰かなんて、今はどうでもよかった。


「あれ、すざくの……」

それを聞いた瞬間、反射的に顔が上がる。
ああ、今のわたしは落ちつきがない。


「……シュリさま?」

顔を上げた先には、人が良さそうな子がいた。
見覚えも、ある。

「――ハ、」
「だいじょうぶ?」
しかも手を差し出されて、心底びっくりする。


「……"さま"なんて、付けないで」
何とかいろいろ飲み込んで、その代わりにぎゅぅっと眉を寄せる。

「あ、そうだね……ごめん」
言葉と一緒に手まで引っ込まれて、つかまろうとした手が宙にういた。

まったく、もう。


「それで?あなたはどうしてこんな所にいるのよ」
「シュリ……こそ」
「わたし?わたしにはやる事があるから来たのよ」
「あ……ぼくも……」
「え?」
何やらもじもじし始めたので、聞き返す。
「あの、友だちを……助けたくて」

「はぁ?」
この子、こんなキャラだったかしら。
思わず首が傾く。
まぁでも、なんとなく分かるわ。

「その友だちって、イッキなんでしょう」
「え、な、なんで?」
「今、まさに私たち共通で渦中の子じゃないの。
 ――それに、私の目的もそれに近いから」

お父さまと一緒にいられて、カリンとも友だちになれて。
わたしは十分に満足だったはずなのに。
カリンは今きっと危なくて、どうでもよかったはずの計画も気になる。
ああ、落ちつかない。

「そういえば、ハクマ」
「ん、なに?」
「ここは特別なキーがないと来れないのよ。どうしてあなたまで――」
言いおわる前に疑問はとけた。
袖口からのぞいたカードは、わたしが今持っているものと同じもの。

「なるほど、ね」
「たぶん、コクエン君も来ているんじゃないかな?」
「……できれば、視界に入れたくないわぁ」
「それは可哀そうだよ」

軽口をたたきつつも、軽く肩をすくめる。
皮肉なことだ。
わたしたちがまた全員そろったのが、計画を止めるためだなんて。


「リュウコ先生がこんなことするなんて、びっくりしたけど」
「結果的にはよかったじゃない。先生も考えるところがあったんでしょう」
「さすがというか、抜かりないというか」


「――!」
急に、チリチリと落ち着かない感じがした。
思わず上を見上げる。
ハクマも思わしげに眉をよせていた。
「これは、やっぱり……」
「……装置の、電磁波だと思うよ。感じが似てるから」

「急がないと」
「ええ」
きっと、今もイッキは戦っているんだろう。
たぶん――――も。


このままじゃ、放ったらかしのままじゃ、
胸のつかえは取れそうにないから。


「待っていなさい」


今度こそ、決着を、つけに行く。




*シュリとハクマが一緒に来て、ハクマがシュリ呼びになってたので
 合流した時に何かあったらいいなぁと思った。
 ついでに、シュリのところにはキノコちゃんが来てたので、
 ハクマのところにはビャクヤが来ていてほしい。


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【2013/09/05 00:51】 | 小話・小ネタ | トラックバック(0) |


コクイキ小話・ブキヨウ最前線
放置してる間にネタを忘れたコクイキ。
なので、最初にどういうネタだったかもはや覚えてません…。
四天王集合です。
ギャグです。


-------------------------------



「メイド少女ーーー!!」
「げっコクエン!!」
すさまじい走力でイッキに駆け寄るコクエン。
だが、イッキの火事場の瞬発力と2人の距離がわずかにイッキに味方した。
おそらく、彼の幼馴染がその光景を見ていたならば、
『普段からそれくらい動きなさいよ!』
と一喝されていたくらいに、イッキは脱兎のごとく走り去った。


「なんでだーー!!なぜメイド少女は俺から逃げるぅーーー!!!」
まるでジュリエットに勧誘を断られた受けたロミオさながらに、
コクエンは地にくずおれた。

「追いかけるからだろ、気付け馬鹿が」
1時間放置されて冷え切ったコーヒーのごとく冷えた目を向けて言い放ったのは、
かつて同じ四天王だったミズチだ。

「ちょっおま、何でここに…っていた!いたい!!」
失意体前屈をしていたコクエンに、容赦なくミズチの蹴りがあびせられる。
かろうじて腕でガードしながら、やっとの事でコクエンは立ち上がった。

「このやろー!何しやがんだ!!」
「馬鹿がみっともない姿をさらしてたから世間の目から
 隠ぺいしようとしてたんだろ、感謝しろ」
「悪意しかねーじゃねーか!!!」
「当たり前だろ、馬鹿は毒だ、社会のゴミだ」
「人をゴミ扱いすんじゃねー!!!」

大声で言い合う2人を尻目に、頭を押さえる人間が、さらに2人。

「2人とも、恥ずかしいからそろそろやめてよ」
「そうやって言い合いをしてる事自体、同じ穴のムジナよ」

おろおろと仲裁を入れたのがハクマ、呆れた顔をして言い放ったのがシュリ。
2人とも、コクエン、ミズチと同じくかつて四天王と呼ばれた存在だ。
ただ、今はそんな事はどうでもいい。
「全くだな、いつの間にか宗教じみたファンクラブなど作ってる奴と
 同類にされたくない」
「いつもぼっちのお前に言われたくねーな!!」
「だからどっちもどっちだってばー」
「言ってもムダよ、ハクマ」

言い合いに仲裁に、冷やかし。
何だかんだで、傍からすれば4人まとめて仲良しグループ(?)なのだった。

「ところで、コクエン!」
「はあ?」
「『はあ?』じゃないわ。あなた、さっきから美しくないわ」
「言ってる意味が分かんねーっつの」
「そいつも大概だよな」
「ミズチ君、鏡って知ってる?」
「……分かってて、言ってんだよな?お前は」
「ふふ」

「そこ!少しお黙りなさい!」
「「はい」」

シュリは4人の中で紅一点であり、基本的に強気な性格である。
粗野なコクエンに無気力のミズチ、多少世間離れしたハクマでは
言いくるめるのは至難の技で、結果放っておくか仕方なく従う場合が多かった。
加えて彼女は、男子には今ひとつ分かりにくい信念も持っていたので。

「あのね。男同士とはいえ、好きな相手を猿のような顔丸出しで
 追いかけ回すというのはあまりにも醜いわ」
「誰が猿だよ!!」
「お前だろ」
「だいたい、追いかけられれば逃げたくなるのが人のさが。
 相手に気遣いをしてこそ、気持ちが伝わるというものよ」
「後半すごく良い事言ってるけど、前半はちょっと違うんじゃ……」
「だから、ここはドラマチックな演出をして告白すれば、
 想いも実りやすいんじゃないかしら!」
「何か言いだしたぞ」
「ドラマチックとか、夢見てんなー」
「気遣いと結論が全然合ってないよね!?」

「お黙りなさい」

「「「はい」」」

結論をまとめると、単に追いかけ回すのでは芸が無い上にまず成功しない。
なので、場をセッティングしいっそコクエンは告白しろと厳命されたのだ。
「おい、これ命令なのかよ!!!」
「うるさいわね、協力してあげるだけでも感謝なさい」
驚愕に振りむいたコクエンを、シュリは一刀の元に切り捨てる。
そのわきで、ハクマが何やら考え込んだ。

「うーん、でも……」
「なに?私のアイディアに何か不満でもあるの?」
「不満しか無いだろ」
「あなたは黙ってて」
「えーと、告白?するのはいいけど、イッキ君ってコクエンが
 近づいたら、すぐ逃げちゃうよね?
 正直、話をする以前だと思うんだけど」

前に、コクエンからかばった事あるし、とハクマが告げる。

「……呆れた。あなた、そこまで避けられてたの?」
「よし、今からイッキにした事洗いざらい吐け。沈めてやる」
「どこに!!??」
「えっと、だからね、僕らも傍で様子を見てた方が――って
 みんな聞いてる?」

どうにも収拾が付かないまま、ぎゃあぎゃあと言い合っている。
そこへ、また別の声がした。

「あんたらさぁ、いい加減にしたら?」

「キノコ!」

そう声を上げたのはシュリで、彼女は声の主と仲が良いような悪いような、
有体に言えばライバル関係にあった。し、今もそうである。

「もうさぁ、なんか騒がしいなーと思ったら、
 あんたら揃いも揃って何してるワケ?」
すっごい目立ってるよ?と言われ、4人は揃ってムッとした表情になる。

「部外者のあなたは黙っててくださる?今私たち、大事な話を」
「それって、コクハクするとかどーとかってヤツ?」
「うお、おおおおおおっ!?なんで知ってんだよッ!?」
「だーかーらぁー、あんたらの声大きいから、バッチリ聞こえてたっての!
 ……それで、ですねー」
によっと意地の悪い笑みを浮かべると、キノコはちょいちょいと手招きをした。

「それ聞いてたの、あたしだけじゃないんだなーこれが!」
「え、えっと……全部は聞こえなかったけど、ぼくに何かあるの?」
いぶかしげな顔で出てきたのは紛れも無く話題の相手であったイッキで、
3人は揃ってほおと目を丸くする。

「めめめっめっめっめメイド少女おおおおおお!!!??」
「……なんという偶然」
「意図せぬ偶然……まさにドラマチックな展開だわ!」
「何と言うか、ご都合展開だね」

正直長くなってきたので、そろそろ巻きに入りたい。

「えっと……あの、話があるのって誰?」
首をかしげながらイッキが問うと、4人が揃って1人を指差した。
「え、ええー……コクエン?」
明らかに嫌そうな顔へ変わったイッキへ、キノコがすすっと身を寄せる。
「だいじょうぶだって!イッキに何かおかしな事しようとしたら
 あたしら4人で抑えられるって!」
「そうね、安心してちょうだい。不本意ながらも身内だから、
 セレクト隊に突き出すような真似はさすがにさせないわ」
いつの間にか後ろに回ったシュリが、イッキの肩に後ろから手を置いた。
何か言いたげなハクマとミズチは、とりあえず置いておく。

「えと……いちおう、聞くけど……」
「メ……いや、イッキっ!」

「おお、名前で呼んだぞ」
「これは印象がぐっと良くなると思うよ」
「そこ、実況解説は離れてやって!」

「イッキ!」
「はい」
「オレは、その」
「うん」
「す、す、す、すす、す」
「……す?」
どもりながらどんどん俯いていくコクエンに、イッキは眉を寄せる。

「す、すっす、すっ」
「うん、何?」

「……………………」
「……?」

「ダメだあああああーー!!!オレには言えねええーーー!!!」
「わっ!」
「オレはダメな奴だあぁああぁぁぁあああああぁぁあああーーー!!!」(ドップラー効果)

涙をふりまき、激しく嗚咽しながら、コクエンは走り去って行った。

「な、なんだったんだろ?」

残されたのは、訳が分からぬままぽかんとするイッキと、
呆れたように各々立ちすくむ面々。
「……逃げたな」
「……逃げたねぇ」
「……美しくないわぁ」
「……こんじょー無いなあー」

「えーと、ぼくはもういいんだよね?」
「ええ、ごめんなさいね、時間を取らせて」
「イッキー!ねぇねぇ、今から家に行ってもいいー?」
「えっ?」
「わぁ、僕も行ってみたいなぁ。あ、でもビャクヤが……」
「ほっとけよ、どうせメガネだし」
「そうね、メガネだし」
「それはどうだろう……」

ともあれ、今日も平和な日々なのだった。



「オレはダメダメだあああぁぁーー!!!」

夕日に向かって走るコクエン以外、は。



終わる。



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【2013/02/06 18:07】 | 小話・小ネタ | トラックバック(0) |


ミリさんのおまけ的な
クウワイバーンの時に出てきたぼちぼちをちょっと広げてみた。
今回は短いよ!!

追記からどぞー。



-------------------------------



「ミズチ、ミズチ」
「なんだ?」
「あのですねぇ、近ごろ、どないでっか~って、言ってください」
「…………嫌だ」
「ええー……」

ミリヴァイアサンが、あまりにもしょんぼりしている(ように見えた)ので、
仕方なく、ミズチは身代わりをたてた。

「そういうのは、アネキに言ってこいよ。喜ぶんじゃないのか」
「おお~お姉さんですね」
のそのそと部屋から出ていくと、ミリヴァイアサンはキッチンの方に向かっていく。


そして。

「ミリちゃん、今朝の調子はどないでっか?」
「ぼちぼちでんな~」
「ふふ、今日も元気なのね。よかったわ」

「何だこれ、もうやだ」


ヤミクモ家の朝の挨拶が、しばらく関西の商店のようになった。




※最初のセリフを入れようかと思ったんですが、
 あんまり必要ないかなと思って以下に書く。
 リュウコ先生のミリさんの呼び方は、「ミリちゃん」を希望します。


「お姉さん、お姉さん」
「あら、ミリちゃん何か用?」
「あのですねぇ、近ごろは、どないでっか~って、言ってください」
「(ピーン)ええ、分かったわ。えぇと……近ごろは、どないでっか?」
「ぼちぼちでんな~」

「あら、ミリちゃん、すごいわ。そんな言葉、いつ覚えたのかしら」
「えへへ。クウケンタウロスが、言ってたんです」
「そうだったのね。あ、ちょっと思いついたわ」
「?」
「しばらく、これを朝に言いましょう?ミリちゃんにとっても、
 復習になるんじゃないかしら?」
「わぁ、ふくしゅう~」
「(まったく、ミズチもちゃんと相手してあげなさいよね)」

リュウコさんはお見通し、的な。


追記を閉じる

【2012/06/05 16:44】 | 小話・小ネタ | トラックバック(0) |


ミリさん小話・深水圧
ミリさん話の、割と書きたかった部分・・のはずが、追加した場面のとこが
かなーり多くなっています;
ハクマ楽しいな!!
ちなみに、時系列は

この話(クリア後すぐ)
 ↓
こないだアップした話
 ↓
もっと前の話(クリア後イベントからだいぶ経った感じ)

という順番です(ややこしくて申し訳なく
終盤ちょっと暗いので、ミズチとの6対6辺りを胸においてくださると幸い。

書き終わった感想:長すぎワロス


-------------------------------



うろうろと、メガネの少年が所在なげに歩き回っていた。
ちょろちょろと、ネコ耳のメダロットが軽快に駆け回っていた。
既にそれは、当たり前の光景になっていて、もはや誰も不思議には思わない。

「ああああ、まったくハクマさまは、不用心なのですから!!」
「うるさいぞ、メガネ」
「メガネー」
「やかましい!お前たちも、ハクマさまのお傍についているべきなのです!!」

居丈高に言い放つメガネ――ビャクヤの言葉に、2体のツンドルはきょとんと顔を見合わせる。
「ハクマいってた」
「てた。しいわくともえんぽーよりきたる」
「ありまたたのしからずや」
「どーいういみだ?」
「いみだ?」
「なななっお前たち……?!」
「おしえろー」
「おしえろー」
「ななななななっ!!」



表から、甲高い声があがった気がして、ミズチは顔を上げた。

「おい、うるさくないか」
「そう?いつもこんなものだよ」
カチャリと、ハクマは2揃いのソーサーとカップを机の上においた。
「ここは商店街ですから、リュウトウよりもにぎやかかもしれませんね。
 あまりお気になさらないでください」

落ち着いた口調で補足したのは、クウケンタウロス。
ハクマに与えられた、特殊なメダロットの1体だ。
「すぐに戻るね」
「はい、それでは」
ハクマの言葉に一礼して、クウケンタウロスは離れていった。

ここは、トラニシ商店街の店舗の中。
在庫とおぼしき箱が積まれ、休憩するためのちゃぶ台や
食器がおざなりにおかれている。

「以前お前がいた部屋とは、比べ物にならないな?」
「ふふ、ぼくは結構気に入っているけどね」
皮肉まじりに言ったセリフも、穏やかな口調で流される。
ミズチは内心、舌打ちをした。

「(こいつは、苦手だ)」

穏やかな物腰に加え、細い目つきはどこか笑っているようにも見えて、
ふつうの人間はどこかしら安心感をおぼえるのかもしれない。
ただ、ミズチにとっては、それに感情を逆なでさせられることも多かった。

ずず、とカップでお茶をすすり、ハクマは息をついた。
「でも、安心したよ」
ミズチが訝しげに顔を上げると、にこにこした顔がそこにあった。
「ミリヴァイアサンのこと、心配していたから」

ミリヴァイアサン――ミズチのメダロットも、クウケンタロスと同じ特殊なメダロットだ。
転送した後はしばらく辺りを見回していたが、今はクウケンタウロスに言われて商品を運んでいる。
客がいない間は、クウケンタウロスと何か話しているようだった。
手振り身振りを交えて饒舌なクウケンタウロスに比べると、
ミリヴァイアサンはぼんやりとしているように見える。

「あいつを?何故?」
ミズチが問いかけても、ハクマはにこにこ笑ったままで、答えない。

今度こそ、思い切り舌打ちをして、ミズチは吐き捨てた。
「今は、ミリのことはどうでもいい。それより」
「クウケンタウロスなら元気だよ。今のところ後遺症も見られないし。
 何よりここの生徒ともうまくやれてる」
さっき、君も見たでしょう?と目線を動かすと、クウケンタウロスが
店表に立って来訪したお客に応対している姿が見える。
ちなみに、横に立っているメガネ――ビャクヤのターバンはずたぼろになっていた。

クウケンタウロスを含む、四天王のメダロットには、催眠によって
三原則による制限が緩められた時期があった。
催眠状態を解いた後の、記憶のすり合わせとメダルの情緒的な発達の遅れ。
それらを是正するために、定期的な観察をおこない、万が一の時には改めて『三原則』を付加する。
オロチが娘のリュウコを通して、提言してきた処置だった。

「問題が無いのなら、いい」
「あ、ちょっと待って」
立ちあがろうとしたミズチを、ハクマが押しとどめた。
「もう少しここにいてほしいんだけど、いいかな?」

「…………」
「……………………」
「…………………………………………」

「どうして、そんな変な顔するの」
「お前、気持ち悪い」
「失礼な。君やコクエン君ほどじゃないよ。
 だいたい、ぼくが君にいてほしいわけないでしょ」
「おい」
さくさくと嫌味をまじえて言うハクマに、ミズチは頬をひきつらせる。
けれど、次の言葉に、不意をつかれた。
「ミリヴァイアサンのことを心配してたのは、クウケンタウロスなんだよ」

「……メダロットが、メダロットを、心配?」
「うん。今日は、2人でいろいろと話しているみたいだし。よかったなぁって」

「ミリヴァイアサンと初めて再会した時、クウケンタウロスの催眠は解けていたから。
 なおさら心配だったみたいだ」


彼らにとって、遠くない出来事。
言い訳も、言い逃れも、逃避も、誰もができるわけなどなく、しようとも思っていなかった。
ただ、事態の解決だけは、唐突に劇的に鮮やかに、1人の人間によってもたらされた。
だからこそ、その後は背負おうと、全て請け負うと、決めた。


「ざまもない。メダロットにまで心配されるとはな」
「うーん、ミズチ君自分本位だし、クウケンタウロスが心配するのも当然だと思うけどなぁ?」
「帰る」
ミズチは短く言って、さっさと立ちあがった。

「ええ、さっきもう少しいてよって言ったばかりなのに」
「うるさい。これ以上、お前の話を聞きたくない」
わやわや言い合いをしかけた、その時だった。

「ミズチ」

ぴたりと、2人の動きが止まった。

「……ミリ?」
「ハクマ!すみません、お客が来ていて」
いつの間にかミリヴァイアサンが立っていて、すぐにクウケンタウロスが蹄を鳴らしてきた。

「お話し中でしたか」
「いや、いいよ。2人はもうすぐ帰るらしいから」
少ししょげたようなクウケンタウロスを、ハクマは取りなす。
ただ、ミズチは、ミリヴァイアサンの持っているものに眉をひそめた。

「それ、何だ?本?」
「ああ、これですか。ミリヴァイアサンが、気になったようなので」
海の生きものの絵本ですよ、とクウケンタウロスが言った。

「…………」
ミリヴァイアサンは、じぃっと腕の中の絵本を見つめ、
「……………………」
そして無言のままミズチを見上げた。

「どうですか、ハクマ。この絵本、お譲りしても?」
そうクウケンタウロスが言うのを、ハクマは頷いて了承した。
「うん、構わないよ。あ、お代はちゃんと払ってね、ミズチくん」
「……おい……!」
「あはは、うそうそ、冗談。気に入ってくれたのなら、もらっていって」
「ああ、ありがたくもらってやるよ」
びきびきとこめかみに青筋が立ちそうなのをこらえながら、
ミズチはミリヴァイアサンに向き直る。

「良かったな」
「……うん」
腕の中の絵本を抱きしめ、小さく、ミリヴァイアサンは頷いた。

「ミリヴァイアサン、またいずれ会わんことを」
「元気でね」
ハクマは相変わらずにこにこしながら手を振り、クウケンタウロスは両腕を締め、
主の横にひかえる騎士のように一礼する。

「また、ね」

わずかに、ぶらりと、ミリヴァイアサンの腕が揺れたようだった。


「絵本……絵本、と」
カチカチと、電子式の端末機を使って、ミズチは図書館の既刊を検索していた。
場所はリュウトウ学園にうつり、いつもの、広場のあるフロアにミズチはいた。
ミリヴァイアサンは、長椅子の上で、もらった絵本をめくるでもなくじっと見ている。

今ミズチがアクセスしているのは、リュウトウ学園内の図書館の貸し出し用端末だった。
リュウトウ学園は、ほとんどの図書を磁気ディスク化して保管しており、
挿絵も画像データとして見られるようになっている。
だが、ミズチは書籍のまま貸出できる本を探していた。
そのため、冊数はさほどでもないとふんでいたのだが。

「蔵書は83冊……マジか」
テーマによっていくつかの条件で絞り込んでも、絵本の数は片手に余る。
貸し出し制限以上に、荷物が増えるのがミズチにとっては厄介だった。

「――ミリ、ちょっと」
こて、と首を傾けると、ミリヴァイアサンが傍に寄ってくる。
「いいか、俺は少し席を外す。5分くらいで戻ってくる。1人でいられるか?」
「…………」
ゆっくりと頭を左右に傾けた後、ミリヴァイアサンは、こくりと頷いた。
「図書館まで行ってくる。今は自習のやつらがいるだろうから、
 ここの方が人は少ないだろう」

ミズチの言ったことが分かったのか分からないのか、やはりミリヴァイアサンは
ゆっくりと頷いた。
「すぐ、戻るから」

そう言いおいてミズチは足早に歩いていき、やがて、その足音も聞こえなくなり、
辺りは無音になった。



カシ、カシ、とこするような音がする。
手のないミリヴァイアサンは、なかなか絵本をめくることができない。
それでも、絵本をあちこち触り、いじっている。
そのうち、バサリと音を立てて、絵本が床に落ちてしまった。
「…………」

一面に広がった絵本のページを、じっと見つめる。
その時、絵本が持ち上がった。

「はい、これ。落ちちゃったんでしょ?」
ゆっくりとミリヴァイアサンが顔を上げると、絵本とともに見慣れない人間が
すぐ目の前に膝をついていた。

「あ、えと、ぼくのこと覚えてるかな?キミとは何回か、会ったんだよ?」
ミリヴァイアサンには見慣れない、しかし、確実に見たことのある人間だった。
そして、頭の中が、

真っ白になった。



「テ……キ……」
「え?」
「……テ、キ……」
「ちょ、ちょっと待ってよ、ぼくは」
「テキ!テキだ、オマエは!!」
「待って、しっかりしてよ!」
「テキ、テキ、テキ、テキテキテキテキテキテキ」
「違うよ、ぼくは敵じゃない!」

なんとかミリヴァイアサンを抑えようとするイッキだが、彼が近づこうとすれば、
ミリヴァイアサンはどんどんあとじさっていく。

「テキ、テキ、ウ、ウウウウ」
「なんで……だって、三原則は」
「ウウ、ウウウウウアアアアアア!!」
頭を抱え、ミリヴァイアサンは雄たけびをあげた。



「ミリ」

唐突に、動きが、止まった。

ミリヴァイアサンの後ろに――手で頭部を覆うようにして、ミズチが立っていた。

「……え、ミズ」
「ロンガンが相手をしろだと。戻れるか」

「う……あ……はい……」
「よし。転送」

ミリヴァイアサンの体は光に包まれ、そしてメダロッチの中に消えた。
残ったのは。

「な、んで?」
泣きそうな顔で、イッキは立ちつくしていた。
「なんで、さっきの、ミリヴァイアサン……、ミズチ!!」
それが、先ほどのことを指しているのは明白だった。
抑えきれず、イッキがミズチの首元に掴みかかる。
幸いにも、ひねりあげられることは、無かったが。

「ミリヴァイアサンには、三原則が戻ったんじゃなかったの!?」
「戻ったよ。だから、お前から離れていってただろう」
「え……」
「メダロットは人間に危害を加えない。つまり、

 自分が人間に危害を加えうる場合は、近づけない」

「あ……そういえば……」
「フラッシュバックって、知ってるか」
「へ?」
「過去の記憶が、なんらかの刺激で唐突に、かつ明確によみがえることだ」
首を掴まれながら、淡々とミズチが話す。
「え、えと、それが何の関係が……?」
イッキの頭の上に、疑問符がいくつも並ぶ。

「あいつが、催眠状態の間にあったたことを思い出したんだろう」
「っ!」
「メダロットは、たとえ催眠状態でも見たものはカメラで記録されている。
 自分の行動もパーツに残されたデータである程度把握できるだろうな」
「じゃあ……ミリヴァイアサンも……」
「おそらくはな」
「……何だよ、それ」
ちょんまげごとしょぼくれていたイッキの顔が、少し上がる。

「ミズチのパートナーのことだろ!?なんでそんな、何にもないようにしてられるんだよ!?」
「何もないように見えるか」
「見えるよ!」
「ならいい」
「――はっ!?」

わけがわからない、と頭を抱えるイッキだが、さらに能天気な声が割って入った。
「おーい、ミリのやつ、寝ちゃったぞー」
「このままだと、よだれでメダロッチがこしょーすんぞー」
「するわけないだろう」
呆れたように言いながら、首にかかったイッキの手をはらう。

「あ……ロンガン?」
ミズチが無言で頷くと、イッキはほっとしたように胸をなでおろした。
「そっかぁ他のメダロットも一緒だったら、大丈夫だね」
「納得したならさいわいだ。俺は帰る」
「ええっ!?」
さっさと踵をかえすミズチに、小走りでイッキが並ぶ。

「目的は、地下のシミュレーターだろう?ミリは、人が少ない方が、いい」
「あ、そうなの?って、シミュレーターだけが目当てじゃないよ!
 ミリヴァイアサンが心配だったんだよ!」
「どうしてこう、もの好きが多い」
「もの好きじゃないよ、当然だよ」
むぅ、とイッキはふくれたが、すぐに表情を戻した。

「ね、これから……どうするの?」
「帰る」
「いや、それだけじゃなくて……」
すたすたとエレベータに乗り込むミズチを見て、イッキはぽりぽりと頬をかく。
しかし、イッキはまっすぐにミズチを見た。
「力になれることがあったら、言ってよ。友だちなんだからさ」
「……」

返事はなく、無言のまま、エレベーターの扉は閉じる。
うむむ、とイッキの小さなため息が聞こえて。
そして。


「これからどうするか……だと?」


「そんなこと、知るものか」

答える声は、どこにも無かった。





※文中のハクマの孫子の言葉は、ミズチに対してでなく、
 クウケンタウロスの気持ちの代弁です、念のため。

 うちの聖獣っ子たちは、基本やる気無くてマイペース。


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【2012/06/05 03:41】 | 小話・小ネタ | トラックバック(0) |


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